某村煩悩集

《学パロ》ピンク黄 - 側にいて ページ32

リクのピンク黄。左右指定なかったのでこちらの方で決めてしまいました。
幼馴染だから呼び捨て&タメ口って設定です。

———

放課後、寮のすぐ側にあるベンチにメテヲは居た。
何か相談したいことがあるのだと本人は言っていたが、詳細については聞いていない。一体なんなのかと予想を立てつつメテヲのもとへ向かう。

「ごめんなさい、待った？」
「結構待った」

すぐ近くの自動販売機で買ったのであろう缶ジュースを片手にメテヲは食い気味に言った。十中八九冗談であろうが、そうズバッと言われると心にくるものがある。

「そこは『今きたところ』とかじゃないの？流石に傷つくー」
「私は正直者だからね」

そうしてちょっとした漫才を交えつつ隣に座ると、いつになく真剣な顔でメテヲは話を切り出した。

「…あのー、相談したいこと、なんだけど。……私、告白されちゃってさあ」
「えっ！？」

なに驚いてるんだろ、私。そりゃメテヲだって健全な人間だ。恋愛話の一つや二つくらい、あってもおかしくはない。なのに、なぜかずっと私の側にいるものだと思い込んでいて。誰とも知らぬ人の隣を歩くメテヲを勝手に想像しては、隣を歩く相手をぐちゃぐちゃと塗りつぶす。なんでかな、気に入らないな。

「何でそんな驚くの？！酷くない？！」

私の隣りでぎゃあぎゃあ喚くメテヲを見、このままがいいなあと心の中で一つこぼす。
…？なんでこのままでいいんだろう？なんで、なんで。そう思考を深めていくうち、ふと妙な結論に辿り着く。
…私も、メテヲが好き——？

「…いや、そんなわけ…」
「えっ何が？？」

そんなわけない、そんなわけない。

「…ううん、なんでもない。ねえ、誰に告白されたの？」
「ん？え、えーっと…同じ部活＊＊先輩。」
「…ふうん。…ね、その人後輩たちを誑かしてるって風の噂で聞いたことあるから断った方がいいよ。」

そんなわけない、んだ。——けど。
殆ど沈んでいる夕日を背に、私は笑いかけた。

タン青 - 虫除け→←白→橙《おまけ》

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