ピンク白 - 桜の樹の下には ページ29
ヤンデレなピンクさんしか書かない字書きとは私のことです。
梶井基次郎さんの掌編小説、「桜の樹の下には」が元になってますが知ってても知らなくても多分読めます。
ものすごーく季節外れですがうちは書きたいものを書けるときに書くスタンスでやってるので悪しからず…！
———
「桜の樹の下には屍体が埋まっている…」
「どうしたんですか、藪から棒に」
背後を覗き見れば、美しく咲き誇る桜を眺めるぐさおさんが居た。その横顔はどこか儚げで、先ほどの呟きも相まって何か不穏な気配を感じ取る。
「有名なお話じゃないですか。桜の美しさを信じられない語り手が、決して美しいとは言えない死体を桜が美しい理由として考えた。素敵な考えですよね。」
桜が風に吹かれて桜の花弁が舞う。それに包まれたぐさおさんはどこかへ攫われてしまいそうで。気がついたら桜を眺めるぐさおさんの側へ歩み寄っていた。
「…どこが素敵なんだか…いや、否定する気はないですけど、なんか気味悪くないですか？」
地面に落ちた花弁を拾い上げ、よく観察してみる。——個々としてでもこんなに綺麗なものの木の下に死体なんて——あまりのギャップにくらくらしてしまう。
「んふ、みぞれさんにはわかりませんか。まあ、理解し難いですよね。…私は——何と言いますか。薔薇に棘があるように、鈴蘭に毒があるように、美しいものが内に秘めたる美しいとは言い難いものを見たり、考えたり、感じたりすることが好きなんです。」
そう論を述べ、笑みをこちらに向けるぐさおさん。その表情に少し昏い何かを感じて、思わず視線を桜に向けた。
そこには満開の美しい桜。——その桜は、根で蛆の湧いた死体の体液を啜っていて。
「…っ！」
ぶんぶんと頭を振ってもその幻覚は瞳に焼き付いて離れない。喉の奥の方が狭まっていく感覚と同時に息苦しさを覚える。込み上げてくる何かを、必死に抑える。
「嗚呼、可哀想に。」
ぐさおさんが口元に弧を描きながら呟いた言葉は今の状態の私に届くはずもなく、桜の花びらと共に風で流されていった。
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おとうふさん(プロフ) - 非ログの洗剤さん» 了解です！私もシチュ指定してなかった(てか思いつかなかった)ので全然大丈夫です。いくらでも待ちますので〜 (2022年12月4日 17時) (
レス) id: b48d62d9e1 (このIDを非表示/違反報告)
非ログの洗剤 - おとうふさんさん» ちょっとシチュエーションがあまりにも浮かばないのでリク遅くなるかもです…！ (2022年12月4日 5時) (レス) id: f4ac54675a (このIDを非表示/違反報告)
非ログの洗剤 - おとうふさんさん» リク&感想ありがとうございます！飲み物に何か仕込んでる系は自分の性癖であり十八番ですからね…！！お褒めいただき嬉しいです！！リクも書かせていただきます〜 (2022年12月1日 21時) (レス) id: f4ac54675a (このIDを非表示/違反報告)
おとうふさん(プロフ) - あと、リクエストです！ちょ、この前の「狂気に呑まれる」の黄緑さんのヤンデレがほんとにドストライクだったんであれの続き、みたいな感じがみたいです。細かい設定とかはないんですがお願いできますか？ (2022年12月1日 21時) (レス) id: b48d62d9e1 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふさん(プロフ) - え、あぁ、おぉ(？)え、ちょなんですか？！私最後までお茶コンビがお茶会してほのぼの〜で終わると思ってたのに！思ってたのに！急なヤンデレみたいなやつぶっ込んできてぇ！大好きですよぉ〜！(情緒不安定ですみません)もぉ、ほんとに、ありがとうございます…！ (2022年12月1日 21時) (レス) @page45 id: b48d62d9e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：賞味期限切れの洗剤 | 作成日時：2022年6月8日 15時
