ハッピーエンド ページ20
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「あ〜、疲れた」
「今日忙しかったもんね」
「こうしてると、生きてるって感じする」
「……ジョンデくん、こんなところで寝ちゃだめだよ」
冷たい水滴を垂らしながら、お湯ごと私を抱き込むようにうな垂れた彼の体温を背中越しに感じながら、ゆっくり、湯気で曇った視界を覆うように目を閉じた。
「あ、Aさん寝てるっしょ」
「…寝てませーん」
「嘘つき、もうあがろ」
水の跳ねる音に耳を澄ませると、しっかり"二人分の人間がいる音"がした。
ふわり、と頭から柔らかなタオルに包まれ、髪の隙間から見える彼の慈しむような目に射抜かれながら、ただただ身を委ねるのだった。
「いひゃい」
「あ、痛かった？」
「んー」
酔っ払いのおふざけの延長戦。狭いソファに腰掛けながら歯ブラシを噛んでいると、『ちゃんと磨きなよ』と、中途半端に挟まれていた歯ブラシを奪い取り、あろうことか、私の歯を磨き始めたのである。
…なんてシュールな絵面。面白がって私も負けじと彼の歯を磨こうとしたのだが…結局ズボラで飽き性な私は彼が黙々と私の歯を磨くのを眺めながら、涎を垂らすまいと躍起になっているのだった。
「変な顔」
「うるはい」
「あー、可愛い」
「どこはよ」(どこがよ)
「はーい、お口くちゅくちゅしましょうね」
「……馬鹿にしてうでひょ、」
「してるよ、今更気づいたの」
「Aさん、寝たー？」
「寝たー」
「寝てないじゃん」
「寝たの」
「ねぇ、Aさん」
「んー?」
「好きだよ」
「んー…」
「大好き」
「んん…」
「おやすみ」
「…………」
ジョンデくんの腕がぎゅっと私を抱きしめて…彼の匂いに目を細めると、深い海に落ちていった。
息を潜めるように、
空いた穴を塞ぐように、
足りないものを補うように、
そうやって私たちは生きている
スプリングがすっかり傷んでしまったこの小さなベッドで、身を寄せ合いながら、明日のことを考えるのだ。
二人なら、どこにでも行ける気がした。
「おはよう」
「おはよう」
「今日はAさんが食事当番だよ」
「…じゃんけんしよ、」
「だーめ」
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さえ(プロフ) - カエルさんの言葉選びとか文章体がすごく好きです。引き込まれます。 (2017年6月3日 6時) (
レス) id: 463e3f37d7 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてました！綺麗事じゃ無いロマンチックな世界観がすごく好きでした！また期待してます！！！素敵な作品ありがとうございました！ (2017年4月3日 15時) (レス) id: 8f6e7b779b (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - ツイッターもフォローしてます！カエルさんのツイッターでの欲望丸出し！な文章も大好きですが、しっかり練りこまれた占ツクでのお話も大好きです！カエルさんの書くジョンデがとてもかわいくて大好きです！また占ツクでもジョンデ連載ぜひしてください(*^^*) (2017年4月3日 2時) (レス) id: fd832b5a03 (このIDを非表示/違反報告)
カエル(プロフ) - つかるんさん» ありがとうございます〜！！（ ; ; ）そのお言葉を励みに更新ドシドシ頑張らせていただきます！！（ ; ; ） (2017年3月27日 9時) (レス) id: d32f1fae21 (このIDを非表示/違反報告)
カエル(プロフ) - pumpkinさん» ありがとうございます（ ; ; ）勿体無いお言葉でございます…！（ ; ; ） (2017年3月27日 9時) (レス) id: d32f1fae21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おたまじゃくし | 作成日時：2017年3月24日 13時
