脇役オセフン13 ページ49
急なセフンからの着信に通話ボタンを押すと、「Aちゃん！？」とセフンとは違う低い声が響いた。
『えっと…？』
《俺！俺！チャニョル！わかる？！》
「……ち、チャニョルさん！？えっ、なんでセフンの携帯から…！」
《あー…やっぱ言ってなかったか。俺の弟だよアイツ！》
お、弟？チャニョルさんの弟がセフン？
確かに二人とも身長が高いし、顔は似てないけど、美形の遺伝子が流れているのかもしれない…。
『それで、どうかしたんですか？』
《セフンが帰ってこないんだよ！前はこんなことザラだったんだけど、最近はちゃんと帰ってきてたから…何もないとは思うんだけど……ん？Aちゃーん？！》
気づけば体が走り出していた。
特に当てがあるわけもなく、走り続ける。公園、図書館、学校…しかし、セフンの姿はない。どこかですれ違いになってるのかもしれない。もしかしたら家に帰っているのかも…でもそれならチャニョル先輩から連絡が来るはず…。
まだ人だかりのある駅に入り、駅員さんに必死の剣幕で話しかける。
『すっ、すいません！あの！なんか身長が180センチぐらいで黒髪で彫刻みたいな顔の人通りませんでしたか！？』
「ちょ、彫刻…？」
「あれ、Aなにしてるの？」
『あっ、ちょうどよかったセフン！セフン見てない？…っててめーだわ！』
「痛っ！？えっ、なに？！」
頬を押さえるセフンを尻目にチャニョルさんに連絡をいれた。
『バカ！何してんだ！お兄さんに心配かけて！』
「別に、ちょっと海まで行ってただけ」
『海！？このクソ寒い時期に！？あんた風邪ひいたらどうするのよ！』
「うっさいなぁ。ほっとけよ」
『ほっとかない！わたしたち友達でしょ！？』
セフンの肩を掴み、首の痛みに耐えながら、目を合わせる。暫く睨み合っていたが、セフンが息を吐き「ほんっと…敵わないなぁ」と薄く笑った。
「急に自分が何をしたいのかわかんなくなったんだよ…あの大学を選んだのもさ、母への当て付けだったんだよ」
『お母さん …？』
「そう、男作って出てった僕の母さん。お前なんかいなくても僕はこんなに立派な大学に行けるんだぞ…っていう。くだらない理由…。でもわからなくなった…僕ってなにがしたいんだろう、何のために生きてるんだろう」
僕がいなくたって、誰も困らない。
自嘲するように笑うセフンに目元が熱くなった。
「僕、生まれてきてよかったのかな」
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はな(プロフ) - すごく素敵なお話でした！ (2017年3月27日 6時) (
レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 終わっちゃったー(T ^ T)と思ってたら、第2章があるんですか！！めっちゃ楽しみにしてます(●´ω｀●) (2016年9月20日 5時) (レス) id: 2f3c87829d (このIDを非表示/違反報告)
Saki(プロフ) - 今日見つけて一気に読んじゃいました！続編楽しみにしています（≧∇≦） (2016年9月10日 0時) (レス) id: 972655b531 (このIDを非表示/違反報告)
miumiu＊(プロフ) - うわぁ！セフンの番外編、とても楽しみにしてます！！ (2016年9月6日 23時) (レス) id: a7167be795 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - こんにちは！連載お疲れ様でした！最終回がすごく良かったです（ ; ; ）続編楽しみにしています！ (2016年9月6日 2時) (レス) id: e1b9d5ab53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえる | 作成日時：2016年8月18日 16時
