25 ページ25
.
『ジョンデ先輩？』
「よっ」
外に水撒きでもしてこい、と外に借り出され、玄関を開けると、木々の影に座り込むジョンデ先輩が。
「いや、インターホン押そうと思ったら、イシンヒョンに門前払い食らっちゃってさ。どうしようかなって思ってたんだよ、Aに連絡もつかないし」
『あっ、電源切れてました…』
「だろうと思ったよ、具合どう？」
『見ての通り、全快です！はやくも母親にこき使われてますよ』
「ははは、でも遠回しのフォローだったんじゃない？俺に気を遣ってくれたんだよAのお母さん」
『…そうですかね？』
あのニヤけ顔はそういうことだったのか…
赤くなった顔を覚ますように手でパタパタと扇ぐが、炎天下の暑さの中、熱がそうそう放出されない。
「ちょっと歩かない？」
『お、お供します』
「ははっ、何それ！」
目の前に差し出される手。思い出す、あれはいつのことだっけ…
「お嬢さん、手をつなぐサービスはいりませんか？」
あの時と同じ、ニヒルな笑みを浮かべてわたしを見るジョンデ先輩。
『ゆ、有料ですか』
「ふはっ、また言ってる！」
『サービスは、全部、いただきます！』
ぎゅっと勢いよくにぎる。その温度や、手の大きさの違いに一気に体温が上昇して離そうとすると、一層強く絡め取られた。
「だーめ」
目を細めて、慈しむように笑われて。
また実感するのだ。
どうしようもなく好きなんだと。
このまま時が止まってしまえばいい。
わたしの手を引っ張るようにあるく先輩の後ろ姿が、夕日に照らされて、眩しい。
あの日、儚いと感じた背中が目の前にあって。なんだか涙が出そうになった。
そんなわたしの気持ちがわかってるように、繋がれた手がまた強く握られるから
勘違いしてしまう
好きが止まらなくなってしまう
わたしの好きの気持ちが、この手を通して全て伝わればいいのに
人を好きになるって不毛だ、
恋愛って楽しいだけじゃない
でも今、すごく幸せだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1499人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - すごく素敵なお話でした！ (2017年3月27日 6時) (
レス) id: d0f5a1909d (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 終わっちゃったー(T ^ T)と思ってたら、第2章があるんですか！！めっちゃ楽しみにしてます(●´ω｀●) (2016年9月20日 5時) (レス) id: 2f3c87829d (このIDを非表示/違反報告)
Saki(プロフ) - 今日見つけて一気に読んじゃいました！続編楽しみにしています（≧∇≦） (2016年9月10日 0時) (レス) id: 972655b531 (このIDを非表示/違反報告)
miumiu＊(プロフ) - うわぁ！セフンの番外編、とても楽しみにしてます！！ (2016年9月6日 23時) (レス) id: a7167be795 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - こんにちは！連載お疲れ様でした！最終回がすごく良かったです（ ; ; ）続編楽しみにしています！ (2016年9月6日 2時) (レス) id: e1b9d5ab53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえる | 作成日時：2016年8月18日 16時
