Lovely Summer！2(JW赤緑) (ページ8)

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「寂しくないわけちゃうけど、学年違うからしゃあないんかなって。しげやって別に話かけてこんかったやん。そんなもんなんかなって感じ？」

「そんなあっさりしてたん？」

「うーん、あっさりってほどでもないと思うんやけどな」

　あからさまにしょげたしげが肩を落とす。
　聞けば、俺が中3になった時も志望校だのなんだの受験の相談が来るんじゃないかとそわそわしていたらしかった。

「あー、しげに聞けばよかったんか」
「そうやで。もう、入学してから知ったんやもん。びっくりしたわ」
「俺も入ってからしげおるって知ったな」
「なあ、なんで神ちゃんはここにしたん？」
「え、近いから。そこまで難しくもないし。しげもそうやろ？」
「うん。近いし公立やし」
「そういうことや」

　急に話が進むようになって、しげは浮かれたように饒舌になった。
　少し低くなった声に慣れないうちにしげの家についてしまって、不服そうな顔をするのを無視して風邪引くからと家の中へと押しやった。

　それからというもの顔を合わせる機会が増えたような気がする。帰り際、しげの家の前で半強制的に交換させられたLINEでも定期的に連絡がくるようになった。急に連絡を取るようになった幼馴染との距離感は未だ掴めていない。

「へえ、神ちゃん幼馴染なんておったんや」
「幼馴染いうても小学生までしか会ってへんからな。それこそ最近急に話すようになっただけで」
「にしても意外やわ。しかも重岡先輩なんやろ？有名人やん」
「それ流星が言うん？」

　中学校で出会った友人が弁当を食べながらさほど興味もなさそうに話を聞いている。1年生の有名人といえばこの目の前にいるやたらと派手な顔をした男だと、それくらいは知っていたが、まさかしげも有名人だったとは。確かに昔から人気者ではあったけど。