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｢そんなん言うて、ほんまはちょっと嬉しいくせに｣
付き合いの長さからその体温は体に刻み込まれていて、誰やと振り向くまでもなくしげだとわかってしまった。｢な？｣と同意を求めてくる声をいなし先程まで話していた彼らに手を振って歩き出せばバタバタと慌てたように足音を鳴らしついてくる。
自分のクラスメイトより俺を優先してくれているように感じて気分が良い。傘に入れてくれる貴重な人材を逃したくないだけかもしれないが、自分に都合よく受け取る脳みそはその考えを即刻ゴミ箱へポイと投げ捨ててしまった。それに、しげが俺を大事にしてくれているのは痛いほど伝わっているのだから、結局この脳みそは間違ってなかったと言える。
追いついたしげと並んで昇降口にむかう。なんてことない世間話の中に湿度の高い恋人としての会話が混じる。公共の場でそういう話をするなと何度も言っているのに一向に聞いてくれないため、こういう話題になったときは無視すると決めているのだ。無視を続ければしげも無理やり続けてくることはなく、昨日のおかんがうるさかっただとか数Aのここがわからへんだとかの普通の友達同士の会話に戻ってくれる。
無視されるってわかってるのならしなければいいのにと、この話をされる度に思うのだがしげはやめるつもりは無いらしい。
下駄箱で靴を履き替えまた並んで外へ向かう。今日は傘を持っていない人が多かったらしく、昇降口のあたりは生徒で溢れかえっていた。中には覚悟を決めた顔で走り出す人もいて、おぉと思わず感嘆の声が漏れた。
人と人の隙間を縫って外へ出る。屋根の無くなる少し手前まで歩いて傘を開いた。傘を上へ向ければぱちぱちと雨がビニールを弾く小気味いい音が鳴った。
せーので足を踏み出す。男ふたりで使うには少し小さいが、最低限濡れなければそれでいいのだ。
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yit高梨アヤメ@新垢(プロフ) - 失礼します、オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (8月12日 21時) (
レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔太郎・羽田 x他1人 | 作成日時：2023年8月12日 18時
