Lovely Summer！2(JW赤緑) (ページ21)

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　綺麗な顔に照れが少しだけ滲んでいた。愛やろ、とでも言わんばかりの流星らしくないセリフ。1番近くにいるだろう友人にはそう写っているのかと思うと不思議だった。
　今度試しにパチカ探しに行きたいって言ってみようかな。

「何で来うへんの！」
「やからやめろって」

　神ちゃんこいつな！とのんちゃんがこちらに向かって走ってくる。のんちゃんの口を封じようと後ろを追いかけるしげを見て流星は笑っている。

「どうしたんのんちゃん」
「神ちゃん、しげがあれってほんまなん？」
「やめろ、ほんまにやめろ」

　いつになく必死な顔は気持ち赤く見える。一体どんな話をしたのかと思うと少し怖かった。真っ先に俺に話そうとするあたり、何か自分絡みの恥ずかしい話なのが伺える。

「神ちゃんにもまだ言ってないねんから！」
「えっそうなん！？何で？」
「何で、何でって」
「色々事情はあんねん。やめといたり」

　俺にも言ってない話ってなんやろう。どうせ、俺のどこが好きとかそんなくらいだ。嫌な話を嬉々として伝えようとしてくる人じゃないことはちゃんと知っている。

　流星に無事回収されたのんちゃんは、神ちゃんごめんな。気にせんといてと素直に謝ってきた。そう言われる方が気になるんやけどなあ。

「俺がパチカ探しに行くって言ったらしげはニコニコしながら着いてくるってさっき流星に言われた」
「なんの話してそうなってん」
「えー、全然接点のない俺に話しかけたしげが凄いって話」
「うわ」

　揺れる車内の窓際に立ってまだ明るい空を窓越しに眺める。しげの眉間に皺がよった。

「さっきの話聞こえてたん？」
「いや、全然。何で？」
「ちょうどそういう話してたから。電車乗ってる神ちゃん見て一目惚れして話しかけたって」

　一目惚れ。それは聞いたことのない話だった。太陽の下にずっといる割には白い肌がじんわりと赤くなっていく。

「え、マジで？」
「うん。逆にそれ以外なんやと思っててん。それこそほんまに接点なんてなかったやん」
「や、そうやけど。てっきり流星と一緒におるのとか見てたんやと思ってた」
「それも見てたけど、最初はちゃう。行きの電車に乗ってた神ちゃん見たのがきっかけ」

　車内がざわざわとしているのを良いことに、そっぽを向いて言葉を続けるしげを見つめる。
　確かに、話しかけられたのも電車の中だった。帰りの電車で、急に流星とよう一緒におるやんなって。流星はダシに使われていたわけだ。