Lovely Summer！2(JW赤緑) (ページ11)

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高校生になったしげと、しげの家でゲーム機を片手にテレビに齧り付いている。
　あまりに予想だにしなかった未来だった。
　しげは意外にもやりこんでいたらしく、そこまで対戦成績はよろしくなく、少しだけ不服だった。

「しげお昼どうするん？」
「カレーあるけど、それでいい？」
「うん。なんかごめんな」
「いやいや。おかんに今日神ちゃん呼んでいい言うたら張り切って作ってたで。普通に作ってる時より楽しそうやったからええやろ」

　気づいたら1時になっていた。キッチンへと入っていく青色のTシャツを追う。許可もなく人様の家のキッチンに入るのは気が引けて、入り口に留まって中をぐるりと見渡した。奥の冷蔵庫以外は特に何も変わっていないようだった。両開きの冷蔵庫ではなかったような気がする。

「なんか手伝うことある？」
「えー、じゃあテーブル拭いてスプーン出してくれる？多分場所変わってへんから」

　指示された通りに、渡された台布巾でテーブルの上を拭いているとカレーの匂いが漂ってきた。コンロの前で鍋をかく様は見慣れなくて妙にソワソワする。

キッチンの外にある食器棚から大きなスプーンを2つ取って、テーブル手前側に向かい合わすように置いてみるのにも変な感じがした。いつもどこで食べているのかわからずにとりあえず。

　スプーンも並べて、コップにお茶を注ぐといよいよやることがなくなって、カウンターから準備を進めるしげをぼんやりと眺めていた。

　ご飯を温めていたレンジが音を立てる。ラップを解かれてお皿にのせられた白米からは湯気が立っている。ゲームをしている時には気にならなかった空腹が急に襲ってきた。