鈍感 ページ17
ぷらいべったーから引っ張ってきました。更新遅いですが気長にお待ちいただけると幸いです。
───────────
｢なあ、その好きな人ってどんな人なん？｣
唐突な神ちゃんからの言葉。驚きすぎて声も出ない。今までは俺が好きな人──神ちゃんなんやけど、──に対してどう話せばいいかとか、いつ告白しようかとか、ひとりでマシンガントークしてるだけやったんに、今日はなんだか違うらしい。
どう答えようか考えあぐねているところに、焦ったように続いた声。
｢あ、いや、言いたくなかったら言わなくてええんやけど、ちょっと、ほんまにちょっと、気になって｣
｢ん、ええよ全然。もうほぼ言ってるのと同じやし｣
こんな俺の事も気遣ってくれる神ちゃんのこういうところも好きなんよな。まあこれは俺だけなんかやなくて、誰ひとり残らず全員に対して。俺としてはちょーっと、ほんのちょっとだけ、寂しいというか。
｢んーと、どこから言おうか｣
｢好きなとこから並べてったら？｣
｢そうしよか、まずはー、あー、優しいとこ！俺に対してむっちゃ優しい。いや俺だけにやないんやけど、優しい。誰に対しても優しい。優しいを擬人化したらこの人ってくらい優しい｣
｢そうなん？そんな人おるんや……まあ、しげもむっちゃ優しいし、お似合いやな？｣
って言いながら、ニコニコで笑いかけてくる神ちゃん。いや、貴方なんですけども……なんて心の中だけで呟いたって、神ちゃんに聞こえるわけないねん。
勇気出せ、俺。
｢ほんま？やとええなあ｣
｢ほんまやて！あとは？｣
｢あとはー、あ、死ぬほど鈍感なところ。荷物変わったり一緒に帰ったり、めいっぱいアピールしてんのに全然気づかないところとか、あと、俺の言動で表情がくるくる変わるのが可愛くて可愛くて｣
｢ええ、そんな気づかないもんなん？しげが可哀想なってきた……｣
──お前だよ！
周りの心の声が一致した瞬間やわ。そない眉毛下げて言うなや、虚しなるやろ！
落ち着け心臓。言うぞ、言うぞ！
｢なあ、気づいとる？荷物もったり一緒に帰ったり、俺が優しくすんの、神ちゃんにだけやねんで？｣
神ちゃんの顔が真っ赤になるまで、あと──
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔太郎 | 作成日時：2022年12月10日 21時
