#10 ページ11
*
しばらく放心してると何やら杠と千空が内緒話を始めた。
大樹がなんか言いながら駆け寄ったけど私はまだ動けない
暗殺教室出身だからこそ、怖いんだ。
人を殺す事の意味を。
怖さを。
重さを。
だからこそ千空を躊躇いもなく手にかけた獅子王司が酷く怖くてたまらなかった。
柳沢や2代目死神に会った時ですらこんなに怖くはなかったのに。
怯えているわけじゃないけど、なんというか…
そう、獅子王司も
怖いんだ。
あの時の喪失感とやるせなさは一生かかっても忘れない。
3700年後の今も。ずっと起きてた私でも。
忘れられない。
忘れたくない。
忘れちゃいけない。
「A、いい加減戻ってこい」
バシッ
「いて、どうしたの？千空」
叩かれてまた思考に落ちていたところを戻される。
「お前は俺と一緒に来い。幸い司にお前の存在を知られてねぇからな」
話を聞くとどうやら杠と大樹が獅子王司のところへスパイとして行き、私と千空は先程の狼煙の人たちを仲間にして科学王国を作るらしい。
「あ。そういえば小さな集落があった！
文明は発展してないみたいだったよ」
「マジか、そりゃおありがてぇ情報だ。とりあえずそこを目指すか」
杠と大樹に体をむける。
「私は獅子王司に存在を知られてない。だから私も千空と必ず文明を発展させるから。だから…だから…ゆずちゃん…絶対にまた会おうね！」
思わず杠のことを愛称で呼んでしまうくらいちょっと…いや、結構寂しい。
「ふふふ、千空くんとAちゃんなら大丈夫！こっちも頑張るね！」
「ああ！必ずまた！！」
「A、行くぞ」
私たち2人は大樹と杠に背を向けて歩き出す
「なんか…男同士はドライすぎない？」
そう言って歩いていく千空を追いかけると
「千空ー！！！！Aー！！！必ず…！！」
大樹の大声がして後ろを振り向くと拳を上に強く、強く、上げていた。
「お前らみてーにお涙頂戴は流石に気持ち悪りぃだろ。
なぁに、3700年待ったんだ。今更数ヶ月や数年なんてどーってことねーだろうよ！」
「ふふふ、たしかに！」
千空はいつのまにか杠が当て木にしていた棒と布を旗のように結び掲げる。
「必ず、立ち上げる！！科学の王国を！」
必ず、再開すると誓って。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リサ(プロフ) - はじめまして！とても面白いです！更新お願いします！！ (2020年11月21日 20時) (
レス) id: 004c20ee37 (このIDを非表示/違反報告)
k - この作品大好きです それと夢主の石化復活から千空達との箱根での合流で夢主が復活したのが5781年4月1日になっているんですがこれだと千空達が石化復活した51年後になりますよ千空の石化復活が5738年4月1日で大樹復活が5738年10月5日ですから (2020年7月30日 21時) (レス) id: 2d14588c0b (このIDを非表示/違反報告)
星雲1234 - この作品大好きです！更新気長に待ってます！頑張ってください！ (2020年6月30日 19時) (レス) id: 419f5d1b3e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです！暗殺教室とDoctor stoneが好きなので！これからもがんばってください！更新楽しみに待ってます！！ (2020年5月22日 10時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
死蝶(プロフ) - ♯8がないですよ！非公開になってませんか？ (2020年5月22日 10時) (レス) id: 3d51fd0542 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆんと | 作成日時：2020年5月15日 20時
