不器用な贈りもの (ページ6)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:521 hit

6. ページ6

見ているこちらを不快にさせるような顔と言動が有名なこいつは俺とは腐れ縁の仲で、付き合いも十年以上と、切っても切れない仲でいる俺達だが生憎こちらは願い下げだ。

キョゲンは悪い奴じゃないが、何故か人を不快にさせる才能をもっている。

褒められたものじゃないが、こいつは虚言癖も凄くそれだけでは飽き足らないのか、第一印象なんて目も当てられない。

十人中十人が一斉に口を揃えて言うだろう。
　
　 "小汚い" と。

乱雑に切られ妙に煌びかりする頭髪と、手も当てられないような無精髭が絶妙にマッチしていて我が校では生徒からキモイという意味で厚い信頼を得ている。

念を押すようでしつこいがこいつは悪い奴じゃない。外見でも損し中までも損していて、人の形をした化け物なのか、なんて思う日々もあるがあくまで、そう思うだけだ。

極めつけはこいつの名前だ。

キョゲン肉だるまなんて悪意の塊でしかなく名付け親の顔をご拝見したいところだが、本人は自信の名前に何故か誇りを感じているらしく、まるで俺を表しているようだ。なんて他人事のように語り出す。

それでもこんな奴にも、生涯を共にいてくれる妻ができて我ながら青天の霹靂でも起きたのか、当時の事を思い出すだけで嬉しいような悲しいような、複雑な感情が行き交い、未だにいることが信じられないのが現状なのだ。