不器用な贈りもの (ページ5)

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『今日は玲奈の好きな物を作ってくれないか？』

普段から玲奈にはお世話になっているのだ。
玲奈だって仕事で忙しいなか、帰宅すれば家事の事が残っていて俺は不器用なせいかそれをいつも見届けてばかり。

たまには助けになりたいと手伝うなんてこともしていたが、些細な事だ。玲奈の心情まで汲み取れないからどう思ってるのか不安だが、少しずつでも恩返しというものはしたい。

まぁ、こんな事は相手の意見を取り入れたただけの話。それでも俺の気遣いに気づいてくれたらこれ以上嬉しいことはない。

少し愚直すぎたが、結局は外に出すことのない気持ちだらけで募るばかりだ。

玲奈の目を見て本心を伝えるのは、未だにまだ度胸がいるからな。少し遠慮してしまいがちな俺には余計ハードルが高いやらなんやら…

返事がくるのを暫く眺めていれば、前のデスクの方から視線を感じ顔をあげれば同僚の
キョゲン肉だるまがこちらをニヤニヤしながら見つめていた。

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