不器用な贈りもの (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:520 hit

4. ページ4

そうこうしている合間に、俺が帰宅する時間がせまってきて、いつもより早く感じたのは、気の所為でも何でもないだろうな。

__ﾋﾟｺﾝ____

書類等の整理をしていれば、聞き慣れた効果音が聞こえ、それが誰からきたものなのか、見なくともわかってしまう自分に苦笑が出てしまう。

寂しいことに、携帯に登録されているものは片手で数える程の数でしかなく、今になって交友関係について後悔の念があがる。

振り切るように、携帯を手に取れば案の定
彼女の玲奈からだった。

『みーちゃん、今日なに食べる？』

見てみれば夜食の注文の返事を、律議にメールまで送って待ってくれている彼女に、毎度のことながら感謝の念と愛しい気持ちが芽生えて、些細なことなのに、機嫌が上昇してしまうのは俺が単純なのか、否か…

みーちゃん、なんて呼称は俺達が付き合いはじめる前から玲奈が

道下くん、みっちー、みーちゃん…なんて次々と呼び名を変えていたものだから、この呼び名に固定された時は、ちゃんづけで呼ばれるなんて小学校の頃におふざけで友達と言い合いをしていたころ以来だ。

だからなのか、無性に照れくさい気持ちと、困惑した気持ちでいた俺であったが、慣れればこっちのものだ。

　郷に入れば郷に従えなんてことわざがあるように、俺も無意味な抵抗はしない。意外と気に入ってるのもその一つだが。

本人に言っちまえば、またからかわれるのが目に見えて自分が思う以上に玲奈を思っているのが、また照れくさい。