これはきっと恋じゃない (ページ35)

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宮近side

4ヶ月くらい前、

毎週火曜日にある収録の前に
なんとなく立ち寄ったお店。

店に入ると、たくさんの商品が並んでいて
どれにしようか迷っていたのを覚えている

「いらっしゃいませ！お昼ごはん、ですか？」

陳列をしていた店員さんに話しかけられ
職業柄、思わず軽く下を俯く

「あ、はい…結構このあと動くので
しっかり食べたいなー、と」

話す必要のないことまで話してしまい少し後悔

「なるほど…サンドコーナーのベーグルサンド、
いつもこのお昼の時間に売り切れるんです。
もし、ここでお召し上がりなら甘いミルクティーとの
組み合わせがおすすめですよ」

店員さんがニコニコしているのを見て

もっとこの人と話をしたいなと思った

「ほんとAちゃんって感じが良いよね」

元太から声をかけられ我に帰る

「え？ああ…そうだね」

あの時と変わらない笑顔に

今は、この人にもっと近づきたいって

どんどん欲張りになる自分がいることに気付いていた

「はらへったー！俺らも早く選ぼうぜー」

元太がるんるんで店内を歩くのを見て

静かに後ろをついていった