舞桜

6芳香 ページ6

(mm)



趣味は？
休みの日何してる？
好きな色は？
、
、


「んー全部宿題かなぁー笑」

なんてウォーミングアップをしながら阿部くんが笑う



どうしても阿部くんの情報を増やしたい俺は


『俺、宿題は1日ひとつしか頑張れないっす』

と少し体の硬そうな阿部くんの背中を押してみた


いたた！と身体を捩らせながら

「目黒には宿題1日ひとつまでなのかぁ笑
ふふっ、なら答えてあげるよ仕方ないなぁー」

なんて言って眉を八の字にして笑ってくれた




あぁーかわいい



律儀な阿部くんは

「なにもーお見合いじゃん！笑」

とか

「それ目黒聞いて意味あるの？笑」

とか言いながらも数え切れないほどの俺の質問にスラスラと答えてくれた



そのひとつひとつに阿部くんを前よりも知れた喜びが募り心がときめいた





『じゃあ次、好きな匂いは？』


そう聞くと


「あ！最近変えた柔軟剤がすごいいい匂いでお気に入りなんだよねー！」


ちょうど手元には阿部くんが貸してくれたタオル


『俺さっきこれで拭きながらめっちゃいい匂いだなーと思ってました、なんの種類っすか？』

「あぁ、えっとねぇ、、、これこれ！」


そう言いながら阿部くんは持ってたスマホで調べたパッケージの画像を見せてくれた


、、、


英語表記で全然読めない俺が困っていると


「この画像送ろうか？目黒も使ってみて！いい匂いだから！」


そういって俺にスマホを出すように催促してきた
急いで鞄から取り出し阿部くんに手渡す




「よし！これで完了！」


『、、、え、、これって、、、』


「画像送っといたから！」


戻ってきた俺のスマホにはシンプルなアイコンに"R.Abe"の名前のついた連絡先と柔軟剤の画像が映っていた



やばい、願ってもないことが起きた

阿部くんの連絡先知れちゃったじゃん


気持ちが昂る俺に阿部くんは



「よし今日の質問はここまで！」

と学校の先生のように言ってSnowManのメンバーの元へパタパタと走っていった



その夜、俺は立ち寄ったお店にあった全種類の駄菓子と阿部くんが教えてくれた柔軟剤を買って帰った


さっそく洗濯して乾燥機が終わるのを待つ


『これだけあればどれか当たるっしょ』


と大量の駄菓子を眺めた



ピーッという合図と共に乾燥機を開けると
ふわっと広がる阿部くんの匂い



洗いたてのTシャツに袖を通す



お揃いの匂いを纏うと阿部くんを包み込んでいるようで思わず頬が緩む





気づけば幸せ気分で眠りについていた

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