愛と嘘と君と (ページ33)

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宮「あー、ちなみにもう終電無さそうだけどどうする？」

「えっ、」

焦って時計を確認するとまだ11時過ぎだ。

宮「あーあ、時計見ちゃった」

と悪戯に笑う海斗さん。

少しそれに乗ってみたくなって

「あー、ほんとですね。もう終電行っちゃったかも」

なんて返してみると驚いた顔でこっちを見てきた。

宮「どうする？ホテルでいい？俺ん家がいい？」

と1年前にも聞きたことのあるような台詞

「あ、えっと、、海斗さんの家で」

でも返事は1年前とは違う。

宮「ん、わかった」

と私の手を掴み指を絡めた海斗さんは

私の歩幅に合わせて歩いてくれた。

時折こっちを見る海斗さんが月に照らされていた

「綺麗、」

宮「ん？」

「あ、いや海斗さん綺麗だなあって」

宮「なにそれ笑てかもう敬語辞めない？A」

久しぶりに呼び捨てにされた私の名前に

胸が跳ねるのがわかった。

「うん、海斗。さん、笑」

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好きになっちゃダメな人なんてきっといない。

出会い方がどんなに最悪でも

最低でもこれが私たちの幸せのかたち。

あの日からずっと止まっていた私の

心も海斗さんの心もまたゆっくりと動き始めた。

それだけでもう充分、だけど、、

海斗さんに沢山振り回されたし

もう1つだけお願いしてもいいかな

「ねえ、海斗。やっぱり1つだけ訂正してもいい？」

宮「うん、いいよ」

「幸せにしてもらうつもりなんてないって言ったけどやっぱり取り消し。私のこと世界一幸せにして？」

宮「はあ、笑もちろんですともおねーさん」

私は繋がれた左手を強く握り返した。

Fin.