Blues (ページ45)

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お金を置いて、みんなに挨拶をして店を出ると
さっきよりも明らかにしゃんと立っている先輩がいた

「、先輩具合大丈夫ですか？」

増「んー？まあ、さっきよりかはね」

スマホに視線をうつしたままの先輩はそう答えると私の手を握ってきた。

「え、先輩ちょっと、」

増「ん？なに」

「手、離してください」

増「えーいいじゃん。こうしてないと俺たおれそー」

とまたヘラヘラとされる

好意を持って無い人からのボディタッチはこんなにも気持ち悪いものなのかと、

手を振りほどこうとするけれどその力は酔っている人とは思えないくらい強くて思わず体が怯んだ。

騙された、そう気づくのに時間はかからなかった。

増「ねえ、ちょっと疲れたから休んでいかない？」

先輩が指を指したのはネオンがやけに強く光る建物

「いや、流石に、」

増「まーまー、何もしないからさ」

少し口角が上がったその顔に信用性なんてゼロで
どうにか逃げ出そうと考えてみるけど身体が固まって動かない。

「おっさん、その子嫌がってるけど」

増「は、まだおっさんじゃねーし」

「あ、そうなの？やけに必死だから婚期でも迫ってんのかと思った笑」

私の後ろから聞こえたその声と伸びてきた腕は
先輩に強く握られていた私の手を解放してくれた。

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