検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:134,035 hit

空虚 ページ9

.





こんな不思議な関係、
世間一般的にはあり得ないし



良い歳した男女が何やってんだ



なんて野次が飛び交ってきそうなことでもある。







でも不思議と私は彼を受け入れてしまって今に至る





海斗が私の家に突然来る日もあれば
一週間音沙汰無しなんてこともざらにある。



かと思えば、1ヶ月くらい私の家に
居座ることもあるし



ふらっと来てふらっと帰る





そんな猫みたいな彼を今日も私はただ待つ


彼のネックレスが光っているうちは、









.





海斗と出会ってかれこれ半年はたつ

もうすっかり季節は冬で、時間がたつのは
早いな、なんてしみじみとする





私は今だに海斗のことをほぼ知らない





突然消えたり現れたりするのにはもう慣れたけど、




この間までは茶髪だった髪の毛が

急に金色になってたり

はたまた赤色になってたり

まるで手品みたいで驚くことが多々ある。







今もあの出会い系は使ってるのとか


友達の家って男の子?女の子?とか


バイトはしてるのとか



聞きたいことだってそりゃ山程にあるけど、






私と海斗の関係性が曖昧すぎて

そこまで踏み込む勇気さえない。







友達っていうのも違うだろうし

恋人とも全然違う。


お互い身体を求めることはあっても

そういうお友達って訳でもないし






あと気づいたことがある。






海斗は絶対に私の家に物を残していかない


泊まるときだって、小さいトートバックの中に
着替えやら歯ブラシやら何やら色々と詰め込んでくる






一度だけ、聞いたこともあった




「ねえ海斗それ毎回持ち歩くの大変じゃない?
うちに1セット置いておけばいいのに」



倉「あー、まあうん、考えとくわ」



なんて軽くあしらわれてしまった









『 俺Aちゃんの首輪ついてるから』



出会った頃に海斗が言っていた







確かに、今でも海斗はそのネックレスを
つけたままでいる。









.








逆に言えば、今の私たちを繋ぎとめているのは

皮肉にもそのネックレスだけだった






.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (271 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
626人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もふ子 | 作成日時:2021年1月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。