猫 (ページ3)

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" にゃあ、"

「わ、子猫だ、」

一匹の子猫が電柱の下に立ちすくんでいた

思わず近寄って覗き込む

「迷子かな、捨て猫、？...うちくる？」

でも大家さんに聞いてみなきゃなんて考えながら

子猫の頭を撫でるとごろごろと鳴き声が聞こえた

倉「ねえ、あんた飼い主さん？」

後ろから声が聞こえて思わず振り返る

「、いや違いますけど」

倉「なんだちびのこと探しに来たかと思ったのに」

「ちび？」

倉「この猫、ちっちゃいっしょ？だからちび」

そんな安直な名前を付けるのかといつの間にか
私の隣にしゃがみこんでいた彼を見ると

後ろにはギターを背負っていて
手には牛乳を持っていた

「あげるんですか、？牛乳」

倉「うん、死んじゃったら嫌だしね」

200mlの牛乳パックを開けてストローで
猫に牛乳をあげだした男の子

「この猫ちゃんいつからいるんですか？ここ」

倉「んー俺が見たのは昨日くらいからかな」

「そうなんですか、」

倉「迷子だといいけど、でも首輪着けないと戻る場所もわかんないよなー」

なんて少し悲しげな声で男の子は猫の頭を撫でた

倉「てか、こんな時間に女の子一人で何してるの？」

「あー、いや仕事帰りで」

倉「こんな時間まで、お疲れ様です」

街灯に照らされた彼の顔は
私が見てきた中ではトップクラスのイケメンだった

小さく会釈をすると彼は少し笑った

倉「え、その紙袋って有名なブランドのやつじゃん」

彼が指差した先は彼氏、正確には元彼氏、
にあげるはずだったプレゼント

「あ、これ知ってますか？」

倉「知ってますよ！俺めっちゃ好きですそのブランド」

倉「でもそれ男物ですよね？割とハードなのつけるんですねお姉さん笑」

「、もしよかったらいります？なんか限定のネックレスらしいんですけど」

倉「え！いいんですか、？でも」

「あー、いやこれあげようと思ってたんですけどもうあげる相手いなくなっちゃったんで、」

目頭が熱くなるのがわかった

倉「、俺で良ければ話聞きますけど」

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