松尾君の正体

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いつも太陽といると

“好き” って伝えたくなるけど

今の関係が崩れるのが
怖くて言うのをやめてしまう





でも今なら直接言える気がして。

いつのまにか口を開く私がいた。









「ねえ太陽聞い「あのな、Aに言わなきゃいけないことがある」




「え？」







言いかけた瞬間
太陽によって私の声は遮られた。








「ずっと言おうと思ってて言えへんかったんやけど。俺な、実は……… 」




「実は…？」







「実は…… 芸能活動してる」




「…………え？ちょ、ちょっと待って、冗談だよね？」




「…冗談やないよ。『超特急』ってグループで活動してて曲も出してる」








“芸能活動” “超特急”



聞きなれない単語が
相手から発せられて頭がくらくらする









「本当はもっと有名になってから言いたかったんやけど、Aに隠し事をしてるのが嫌やった。今まで隠しててごめん。」




「大丈夫だけど… このことは私以外の人には言ってないの？」




「先生は知ってるけどクラスの人達には言ってへん。」




「隠してるってこと？」



「隠すつもりは無かった。松尾太陽として仲良くなったらいつかは言おうと思ってた。やけど、馴染めなかったから言う機会も逃してた」








ぽつりぽつりと

今まで見たことないくらい

真剣な顔で話す太陽を見ると

本当に悩んでいたことがよく分かる




だから、責めれない









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