蜘蛛の糸-kwmr ページ6
僕の彼女は素敵な人だ。
見た目がかわいいだけじゃなくて、中身もとても素敵なのだ。
だから時々酷く不安になるのだ。
福「Aちゃん、次の撮影なんだけどさ………」
伊「A〜」
山「Aさん、この問題なんですけど…」
オフィスで彼女は引っ張りだこで、誰かと話しているか、集中してパソコンとにらめっこしているかのどちらか。
君が他の男のところに行ってしまわないだろうか。僕よりも素敵な男性を見つけてしまわないだろうか。
自分で考え始めた挙句、その大きな爆弾は自分に降り掛かってくる。心が全て持っていかれそうなくらい辛い。
「拓哉さん」
河「…Aさん」
「…体調悪いですか?」
河「…いえ」
「じゃあ、なにか不安になりましたか?」
河「………はい」
しょうがないなぁ〜、と笑顔になりながら彼女は僕を抱きしめてくれる。
この香りに包まれるのが僕の至福の時間であり、まるで回復の魔法みたいだ
伊「河村さんの栄養補給だ」
須「いいなぁ、Aちゃんみたいな彼女」
河「あげないですよ」
須貝「取ろうなんて思ってないから!そんな睨むなって!」
栄養補給もあながち間違いではない。
周りがとやかく言う間もずっと僕の頭を撫でたり、背中を摩ったり。まるで子供をあやしているみたいな手つきに安堵する。
河「Aさんは誰にも渡しませんからね」
「ふふ、私には素敵な彼氏さんがいるんですから。あたりまえじゃないですか」
河「はぁぁぁ………」
伊「Aもとんでもないのに捕まったな」
「好きで捕まりに行きましたから。後悔なんてしてないですよ」
僕の巣に自ら飛び込んできた蝶は、羽をバタバタさせて暴れることも無くその運命を受け入れている。
なんて優しい子なんだろうか。
「だって大好きですから!」
河「……………」
伊「河村さんがキャパオーバーした」
こ「天才が瀕死だ」
山「さすがAさん…」
太陽のような笑顔で僕に大好きなんて言うんだ。
捕まえた責任はとるから、覚悟してください。
河「離すつもりないですからね」
「離さないでくださいね、私の素敵な彼氏さん」
せっかく捕まえた蝶を逃す気なんてない。
全部僕が食べるんだから、ゆっくり待っててね。
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あす(プロフ) - はじめまして。izwさんの飴と鞭と腐れ縁の続きが気になります(*´ω`*) (2021年6月9日 1時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
美糖(プロフ) - ちひろさん» リクエストありがとうございます!tmrさん書いたことなかったのでハッピーエンドで書いてみます! (2021年2月10日 18時) (レス) id: 236b53465e (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめましていつも読ませていただいてます。リクエストなんですがtmrさんでお願いできますか?できればhappy endでお願いします。これからも頑張ってください。 (2021年2月10日 0時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
美糖(プロフ) - 桃花鳥さん» ありがとうございます!!歪んだ話が書きたくなりまして…笑 これからもよろしくお願いします! (2021年2月2日 23時) (レス) id: 236b53465e (このIDを非表示/違反報告)
桃花鳥 - 『ハッピーエンド』…めちゃめちゃ好きです…(; ;* 基本、本当のハッピーエンドしか好きじゃないんですが…新しい扉を開いた感覚です…笑 強引に幸せな方向に持っていってやるっていう感じが好きです(?)これからも楽しみにしております(´`* (2021年2月1日 2時) (レス) id: 43e2bb2fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美糖 | 作成日時:2020年12月14日 0時