恋は盲目《QK》

-4 ページ30

福「Aチョコ貰ったからあげる」


次の日。ソファに座っていたAさんの隣にナチュラルに座る福良さん。
距離が近い！と自分の中でツッコミを入れながら見てしまった。

昨日Aさんに祥彰だけだよとか愛してると言われて安心してもまだ嫉妬してしまう


「祥彰〜〜」

山「なに？Aさ……え、」



福良さんの隣に座ってるAさんは手を振りながら僕の名前を呼んだ。

社内でバレたら面倒くさそうだから内緒にしておこうね、とAさんが言ってたから僕とAさんは「山本くん」「Aさん」と社内では呼び合っていたのに
急に下の名前で呼ばれた僕はテンパって立ち上がってしまった。


「祥彰もチョコいる？」

山「え、ちょ、名前さん、」

福「ここ社内恋愛禁止じゃないしね」

乾「え！？」


隣の福良さんはニヤニヤして僕を見ているし、Aさんは満面の笑みだし。乾は驚きすぎて俺の方に走ってきた。不幸か幸か他の社員はいないので助かったけど、これぞカオス。


山「え、なんで？」

「別に隠さなくていいかなって」

乾「それなら言ってくださいよ！」

山「だって内緒にしておこうって言ってたから…」

「はは、ごめんね乾」


僕はニコニコした乾に質問攻めになって、Aさんと福良さんがそれをニコニコしながら見ている。


福「最初からそうすれば良かったのに」

「バレたら面倒くさそうだったけど、なんか寂しいじゃん？」

山「福良さん知ってたんですか？！」

福「俺ずっと惚気られてたからね」

「あ、それバラす？」

福「大学のころからいろいろ相談受けてるんだから」

「それ言うなら大学の頃から惚気聞いてる私の身にもなりな？？」


仲良さげに話していたAさんは、実は誰にも言えなかった惚気を福良さんに吐き出していて、その代わりAさんとも仲がいい、福良さんの大学から付き合っている彼女さんの惚気も聞いていたそうで。
僕が危惧するような関係ではないと分かってほっとした。


福「その度に俺山本に睨まれるんだから」

山「睨んではないですよ！？」

福「A愛されてんね」

「かわいいでしょ？私の彼氏」

乾「山本さんも愛されてますね〜」

山「…なんか恥ずかしいからやめて…」


伊沢さんとかがいたらもっと茶化されてたんだろうなと思うと今から怖い。

でも…Aさんの笑顔が見れるし、これからは堂々と「Aさんの彼氏です」って言えると思うと嬉しいなと思ったり。

眼鏡越しの糖分 ★→←-3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す