恋は盲目《QK》

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「はぁぁぁぁ、、、」

伊「どうした？バカでかいため息なんかついて」

「いや………すいません」



この日は特別ネガティブな日だった。


病んではない。病んではないが思考がとことんネガティブになってしまった。

例えば、私は勉強が出来ると言ってもみんなほどは出来ない。

クイズも得意じゃない。

みんなより1本の記事を書くスピードが遅い。

編集も遅い。

そんなことばかり考えているうちにさらに記事のスピードが落ちた。いつもの2倍くらい時間がかかってしまった。

こうちゃんに「大丈夫？」と言われるほど些細なミスを連発した。



須「Aちゃん、大丈夫？体調悪い？」

「いえ…すいません。大丈夫です」



みんなに心配される始末。

さっきも福良さんにチョコレートを貰ったし、こうちゃんからもココアをもらった。

彼に会いたいというのに、彼は今日一日中撮影部屋に籠りっぱなしである。

会いたい。ちょっとでいいから顔が見たい。

でも、彼の迷惑になる。お仕事中なのに



「…………はぁ、」

伊「…Aちゃん、さっきからため息つきすぎ。なに？山本となんかあった？」

「いや……すいません。そういう訳じゃなくて、ただ自分の弱さを噛み締めているだけで……」

伊「……山本あと30分もすれば今日の撮影終わるからさ、今日早めに帰りな」

「え」

伊「ほら、今やっても非効率的だって自覚あるだろ？休む時は休む。山本は今日撮影だけだから。心配しないで帰りなさい」

「でも」

伊「社長命令」

「………すいません」



いつもヘラヘラしてる社長なのに。こういう問はすごく頼りになる。さすが我らがクイズ王。


山「だ〜、終わった〜」


撮影部屋から聞こえてきた声に反応した。

休んでいろと言われて身体を縮こまらせながら、私の思考は彼氏へも向いてしまいった。

なんで彼氏でいてくれているんだろう、から始まり、仕舞いには本当に好きなのだろうか。いつか棄てられるのだろうか。と考えはどんどん悪い方に流れていった。


山「A」

「……山本くん」

山「そうだよ、おいで〜、一緒に帰ろ」

「……………ごめんね」



差し伸べられた山本くんの手を握って立ち上がる。
今日も眩しい笑顔だ。

私に向けられるものとしては眩しすぎて直視できないくらい。本当に太陽のような人だ



山「伊沢さんすいません。じゃあお先に失礼します。」

伊「おー、Aちゃんのことよろしくな」

「…すいません。失礼します」

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