伏黒恵という存在 ページ10
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早いもので私ももう中学二年生になってしまいました。まだこっちに来て3ヶ月とかしか経ってませんけどね。
元の世界での中2とか、厨二病真っ盛りで今や黒歴史と化しているので、こっちでの中2は平穏に暮らそうと思っています。
って書いていたのがクラス替え前日の私の日記です。
そして今、クラス替え発表も行われて絶望しています。
「・・・伏黒恵」
「アッ,結Aです。1年間よろしくお願いします。」
「・・・よろしく」
なんと同じクラスに伏黒恵くんが!!
というか隣の席です。
こっち来てからまだ関わってなかったから、油断してたよ・・・。
同じクラス・・・しかも隣の席!!
強制的に縁結ばれるわ、家の神社には宿儺様祀られてるわ、恵くんと隣の席になるわ・・・。
私は神に嫌われているのか?神社の跡取りなのに・・・?
「あ、席替えとか面倒だから1年間出席番号順な〜
仲良くしろよー」
担任にも嫌われているらしい。
・・・え、無理でしょ。1年間恵くんのお隣で?しかも家に帰ったら、宿儺様がいる?
幸せすぎて私溶けない?大丈夫そ?
てか、めっちゃ身近に恵くんがいるってことはそれだけ私の家に宿儺様がいることがバレやすいってことなんだよ。
恵くんって悠仁くんと初対面で、すれ違っただけで悠仁くんから宿儺様の残穢感じ取ってたよね。
・・・え、やばいじゃん。
「結」
「ふぁいっ?!」
「あのさ、お前」
ま、まさかの早速来ちゃった〜!!
変な声出たけどもうそんなん気にしてらんねぇ!!宿儺様のことどう言い訳する?
ダメだパニクってて今ならアホなことしか言えない・・・!!
どうしようどうしようと頭の中で解決策を探しながら、恵くんの方を見る。
「修了式の時に、これ落としただろ」
「・・・・・・へ?」
これ、そう言って差し出してきたのは見覚えのある桜のピン。
ただの桜のピンなら違うと言うが、それは糸の上に桜がついているようなデザインのピンだった。
急いでスクールバッグの持ち手を見る。
そこには、いつも付けていたはずのものが見当たらず、そしてそれは恵くんの掌にいる。
「・・・それ、私のだ
どこで見つけたの?」
「修了式の帰りに拾った」
「ええ、マジかぁ
ごめん、ありがとう。全然気づいてなかったよ」
「ん」
恵くんは、小さく返事をして私にそのピンを渡すと視線を窓の外に移した。
・・・え、中学生の恵くんやばくね?(語彙力)
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作者名:moe | 作成日時:2021年1月31日 4時