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数分後
「ほォ、だからここ数日小娘が現れなかったわけか」
人間、事情を説明したら理解してもらえるもんらしい。
拙い敬語と圧倒的に足りない語彙力で説明したが、案外すんなり信じてくれた宿儺様。なんだよ、すげぇいい人じゃん。あっ呪いか。いい呪い!
「ええっと、すいません宿儺様。
質問させて頂いてもよろしいでしょうか・・・?」
「なんだ。」
「何故、宿儺様が神社に祀られてるのでしょうか?
宿儺様って、呪いの王、ですよね?」
そう。ここまでわりと勢いだけで話していたが、どうにもこうにも気になってしまうのだ。
だってうちの神社に祀られてんだぜ?この神社の初代宮司まじどうなってんの?
「小娘、貴様この家については調べたか」
「いや、まだ全然です。過去にこの体の持ち主が書いていた日記ぐらいしか読めてないです。」
「フンッ。なるほどな。
では説明してやろう。
俺はこの神社の魔除けとして置かれた呪いだ」
「・・・え、待ってなんで魔除けが祀られてんの??え?どゆこと?」
そこから宿儺様直々に我が結家の今現在に至るまでを教えていただいた。
元々は宿儺様の言う通り、宿儺様を封印して直ぐにここに魔除けとして置かれたらしい。
そこから200年位で、なんの間違いかその当時の宮司は宿儺様が魔除けの置物などではなく、安産祈願の神であると言い出したそうだ。そいつ頭大丈夫かな。
しかもその当時、結家の安産祈願の神社としてはほぼ役立たず。周囲の人間からは本当にあそこに神様いるのか?と疑われていたそうだ。だから、その当時の宮司おかしなこと言い出したんだろうって宿儺様は言っていた。
でも、実際に魔除けとして家の境内の隅にあった小さな百葉箱から、宿儺様の指を本殿へと移せば、あら不思議。なぜだかうちの神社に来た参拝者さんがどんどん身篭ったそうだ。そこに宿儺様が何かしたとかいう訳でもないようだ。
そして、それ以降潰れかけた結神社は活気を取り戻し、今に至るまで安産祈願の神社として有名なんだそう。
「宿儺様を本殿に移した宮司に感謝すればいいのか、怒ればいいのか・・・。」
「・・・」
「?
なんでしょうか?」
「・・・いや。
小娘、貴様俺の姿を見てなにか思うことはないのか。」
私の知る中では初めて見る不思議そうな顔。
宿儺様の姿をみて、思うこと・・・。
あ、あれか!
「かっこいいおめめが4つもありますね!」
「・・・。」
何こいつみたいな顔された。
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作者名:moe | 作成日時:2021年1月31日 4時