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突然だが、普段私は自分自身に結界を張っている。
その結界は家に張ってあるものと同じで、その名も“
呪力等が一切存在しない、澄み切った場所に見える結界だ。
家に張ってある理由は、今は1秒でも長く悠仁くんに長生きしてもらう為と宿儺様の指を回収させない為だ。前はなんで結界張ってたか知らないし、あまり興味もない。
で、自分に対して結界を張っている理由はただ一つ。私の呪力量が異常だからである。
元は一般人に毛が生えたレベルの呪力量だったらしいが、ちょっと術式で遊びすぎたようで、今じゃ結界を張ってないと秒で術師に捕まるレベルになったのだ。まあもちろんその話は宿儺様から聞いたんだけどね。
基本スタンスとしては、Yesキャラクター Noタッチの私としては術師に追い回されるのなんて真っ平御免。というわけで、普段は呪力0の一般人を装っているのだ。
ほら、神社の娘だし。なんか神社の娘って呪力0っぽくない?(ド偏見)
だがしかしここでひとつ考えてみてほしい。
周囲から呪力0に見えるだけで実際のところはバッチバチに呪霊(なんならガチの霊とかも)見えてるし、術師が簡単に呪霊祓ったり、取り込んだりするのは見えてるわけだ。
でも、呪力が全くの欠片も存在していないように相手からは見えているので、私が呪霊などを凝視していたら、普通に考えて可笑しいのだ。
きっと普段だったら、夏油傑は私の存在なんて見逃していたんだろう。
だって、呪霊を視認できるけど、祓えないって人もそれなりにいると思うから。
ただ今回は呪力0で何故か呪霊の視認ができるっていう、どっかの天与呪縛持ちのプロのヒモを彷彿とさせる小娘だったから、興味を持たれたのだと思う。
我ながら馬鹿みたいなミスしてんじゃねぇよ、自分。って感じだ。
「それじゃあ、色々と聞かせてもらおうか
君のそれは、どうなっているんだい?」
「ア、ハハ・・・えーっとですね・・・?」
さて、長らく現実逃避をしていたが場所は渋谷から変わって、山奥にいる。
ここに来るまで何度か逃げようと考えたけど、前には夏油傑、後ろには双子ちゃんで一切の逃げ道が存在しなかった。
あー、どうやって誤魔化そうかな・・・。
少しでも気を抜くと、すぐに現実逃避を始めるぐらいには、この場から即刻離れたいと思っている。
ほんとにどうやって誤魔化そう・・・?
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作者名:moe | 作成日時:2021年1月31日 4時