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「え、壁殴ったの？」
「ああ」
「バカじゃん」
「あ゛？」
「怖い。ヤンキー怖い」
恵くんはどうやら壁をぶん殴ったらしい。
何をしているんだろう、このヤンキーは。
恵くんの手の甲の血を水道で軽く流してもらってから、たっぷりの軟膏を塗る。
たしか湿潤環境を作ることで傷の治りが早くなるらしいからね。
絆創膏に軟膏、そして実は消毒液とかも持ってる私女子力がカンストしている気がする。
「はい、終わり」
「･･･ありがと」
「はーい。じゃあ、日誌書くの手伝って。
今日の目標何にする？」
「･･･授業を寝ない」
「それは私と伏黒くんの目標かな
んー、みんな元気よく挨拶するにしておこう」
女特有だよね、これ。どうするか聞いておいて結果相手の意見を無視するの。
まあまじで授業を寝ないは私と恵くんぐらいの目標にしかならない。
「とりあえず、こんなもんでいいかな」
「･･･」
「よし、伏黒くん私今から寝るから
HR始まったら起こして〜」
恵くんの返事を聞かずに机に突っ伏す。
いや眠いんだよ。日直ってさ、朝早くからきて教室の整備的なのして日誌を書いてって、面倒臭いよね。マジで眠たい。
なんだかんだ、中2の夏手前まで恵くんとは仲良くやっているよな。
お姉さんの津美紀ちゃんとも何度かお会いしてるし、なんでか気に入られてるし。
あ、でもまだ五条さんには会ったことないな。
伏黒家に入り浸ってそうなイメージなんだけどな。
今は多分、まだなんもない時期、だよね。
私たちが中3になったら、憂太くんと里香ちゃんのアレでしょ？
あと、クリスマスに夏油さんのやつ。んー、生きてる夏油さんに一度会ってみたいな。
どうせならお話してみたいじゃん。
今の夏油さんと仲良くなることで偽夏油とも仲良くなれるならめっちゃ頑張るんだけどなぁ。
あ、私が偽夏油だって気付いてないフリしたらいける？
そしたら、脹相お兄様にもお会いできるんじゃ･･･。血塗さんと壊相お兄様と仲良くお茶できるのでは？
まあ、たとえ気づいていないフリをしたところで、私が脹相お兄様たちとお茶できるような状況にはなり得ないと思うけど。
現実って難しいな〜。
どうすれば脹相お兄様たちとお茶できるんだろう。
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作者名：moe | 作成日時：2021年1月31日 4時
