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といっても、安易なものではなかった。
いっぱい話しても、出掛けてみても、心が戻った様子は無い。



任務を終えて帰ると、Aはもう寝ていた。
すう、すう、と規則正しい寝息をたてている。

……こんなときは、普通の女の子なのに。

……そういえば。Aには恐怖もないらしい。
…………怖がらせる?

……怒らせる?時計を見る。午前一時。こんな時間に起こされても眠いだけだろう。

……やめておこう。なんだか嫌われたくない。

「……君の心は、必ず……」

ぽつりと呟いた言葉は、闇に溶けていった。




翌日の昼頃、胡蝶さんのところへ行った。
誰だっけ……継子の、カナヲ?と一緒に過ごしていたからら何かわかるかも……と思って。

Aは相変わらず、無機質に空を見上げている。

「…………」

*

「なかなかに……面白い子ですね」

胡蝶さんは、うむむ、と唸る。

「心の声が小さいんじゃなくて心が無い……。うーん、難しいですね」
「ちょっと困ってて……」
「うんうん、これは少し困りますね」
「……なんとかして、心を取り戻せない?」

胡蝶さんがまた暫く考える。
そして、何か思い出したように、閃いたように、伏せていた目を上げた。

「……そういえば姉さんが言ってました。カナヲに対して、『好きな男の子でも出来たら変わる』って……」
「好きな…?」
「もしかしたら、愛とか……そういうのを与えたりすれば、治るのかもしれません」

あくまで憶測ですが、と付け加える。

……愛?

愛……どんな愛だ?


……誰かと恋仲にさせればいいのかな

そうすれば、愛をもらえて……うん。

「……胡蝶さん、ありがとう……」
「参考になったのなら良かったです。また相談に乗りますよ、いつでも」

帰るとき、胡蝶さんは手を振ってくれた。

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鈴歌-Rikkai-(プロフ) - 黒猫みかんさん» あっやっばい無一郎好きすぎて無意識で書いてた……恥ずかしい……(初歩的ミス)誤字指摘ありがとうございますm(_ _)m (2019年11月11日 20時) (レス) id: 8ba55bc0a6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫みかん(プロフ) - "ときとう"じゃなくて"ときおり"ですよ!次の更新も楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年11月11日 16時) (レス) id: 9cc7bf0571 (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - みどりさん» めっちゃ楽しみ…!超嬉しいです!週一更新、頑張ります! (2019年9月27日 21時) (レス) id: af6ad853e4 (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 「あ、時透くんの新作だ」と思ったら鈴歌さんのだったんですね。めっちゃ楽しみです! (2019年9月27日 19時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - かまぼこさん» 二期三期があったら出るかもですね(笑)アニメむいむい本格的に出てきてほしいです…。ありがとうございます! (2019年9月27日 6時) (レス) id: af6ad853e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴歌-Rikkai- | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzuka-Rikkai-/  
作成日時:2019年9月26日 22時

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