か す み ば し ら。

霞柱頑張った ページ34

「A……」


私の家に無一郎が訪ねてきた。
後ろ手に何か隠しているようだ。

「……？」

無一郎がいやに挙動不審だ。ちょっと珍しい。

「A、ぬいぐるみ…好きだったよね」
「あ、う、うん……！好きだよ」

突然の問い掛けに動揺しつつ、答える。
すると無一郎が目をそらし、隠していたものを差し出した。

「あげる……」
「……んぇ？」

ぬいぐるみ。
白い猫。首に薄い水色のふわっふわしたリボンを巻いている。

「か、可愛い……ありがとう、無一郎！！一生大事にする…！」

きゅっとぬいぐるみを抱き締めて言えば、無一郎も嬉しそうに微笑む。

そういえば。よくよく見れば、無一郎の手のところどころに絆創膏が貼られていた。

「む、無一郎……これ、無一郎が作ったの？もしかして」
「あ……うん…A、ぬいぐるみが好きだって言ってたから。部屋にもいっぱいあったし。胡蝶さんに教わって作った」

照れくさそうにそっぽを向いて。

どうしようもなく愛しさとかこう、嬉しさが増して、溢れた。

「むっ、むいぃ……」
「…むい？」
「ありがとう……本当にありがとう…なんかお礼したいな、えっと……」

私は考えを巡らせる。お礼の手段……
…無一郎の好きなもの。

「そうだ！無一郎、今日私の家泊まって！」
「…うん？い、いいけど…」
「ふろふき大根いっぱい作る！」
「……！！」

無一郎の顔が、ぱっと嬉しそうに輝いた。



「やっぱり、死ぬほど仲いいじゃないですか」
「幸せな音しか聞こえない…Aちゃぁん……！」
「ぜ、善逸？どうしたんだ、そんなに項垂れて」
「本当、気持ちわりぃヤツだな…」

かまぼこ隊としのぶさん、偵察。




＿＿＿＿＿
禰豆子ちゃんに教わりたかったけど
あの状態で教えられるか…？って考えのもとしのぶさんに落ち着いた。

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