か す み ば し ら。

髪をいじりたい・改 ページ31

「胡蝶さんの髪飾りって綺麗ですよね」
「あら、そうですか？ありがとうございます。良ければ差し上げますよ」
「え、ほんとですか？嬉しいですー！」


*


というわけで、何故か蝶の髪飾りを二個もらった。
二つの髪飾りを見つめて、む、と唸る。
私は二つ結い、似合わないと思う。

あれはアオイちゃんとか、可愛い系美少女がやると可愛いものだ。

少し考えて、思い付いて、指を鳴らした。一人きりの部屋にぱちーん！と良い音が響いた。


*


「というわけで、髪またいじっていい？」
「……いいけど……可愛いは無しね」

何だかんだ私には甘い。

お言葉に甘えていじり始める。

「可愛いがダメなら、綺麗にする」
「……よく分からない」



「よしっ、できた」

ちょっと時間かかった。無一郎が、重い、と呟く。

後頭部の真ん中には蝶の飾り。

ざっくりいうと、甘露寺さんの三つ編みをひとまとめにした感じ。

…女の子みたいだ…

「負けました…」
「何に？」
「いや……」

可愛さで、とか言うとまた怒られるから言わない。
女装させて一緒に散歩したかったけど、全力で抵抗されたのでやめた。

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