か す み ば し ら。

霞柱に勝ちたい ページ4

＼かまぼこさんリクエスト／






勝負の世界では親も兄弟もないとか言っていた、誰かが。多分。
それはまぁ、鬼殺隊も同じようなところはある。炭治郎くんとかは特別な事情があったりするけど。

稽古の時だけは恋人という概念はどっかへ飛んで行く。

「…遅い」
「へはっ！？」

気付けばすぐ前にいて、スパーン！という音と共に腕に入る木刀。痛い。超痛い。木刀の音じゃないでしょこれ。地面に勢いよく転ぶ私と対照的に、時透君は涼しげに着地する。

そして私に近付き、「大丈夫？」と手を差し出した。優しいのか優しくないのか。取り合えず、有り難く握って立ち上がる。

「……ああぁ、悔しい！！」

立ち上がるなり叫んだ。時透君は顔を歪める。そして私の口を手で塞いだ。

「むー」
「…ちょっと、うるさい…」

そして淡々と私の悪い所を述べる。

「腕の振りが遅いんだよ、それじゃあ敵に動き読まれちゃうよ」
「………」
「ほら、ね」

不意打ちの体で木刀を振ってみるも、軽く避けられた。悔しい。

「ほら、教えてあげるから」
「ううぅ、ありがとう…」

このあと凄くキツいのやらされた。



「いっそのこと僕の継子になる？」
「……やだ」
「えっ」

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