霞柱と相合い傘 ページ3
「……」
降る、と言うにはあまりにも激しい雨。ちょっとの雨なら走っていくが、これは走ったらずぶ濡れどころじゃない。
寄った定食屋の前で一人、雨宿り。
天元なら「いやー、派手に濡れたわ」とか言ってかっこよく帰るのだろうか……いや、さすがにないわ
それはそれとして、この雨、なかなか止む気配を見せない。もうずぶ濡れで帰ろうか……
そう思い始めた時、遠くから見覚えのある人が歩いてくる。微かに見える。
近くに来て姿がはっきり見えてきた時、ひゃーっと嬉しい気持ちがわいた。
「無一郎……！」
「いた……」
てちてちと寄ってきた。あー、迎えに来てくれたんだ……嬉しい。
「帰り遅いし、この雨…傘持っていってないから…迎えにきた」
「わーい、嬉しいよ無一郎、ありがとう」
「それで、Aの傘忘れた……」
「どうしちゃったの無一郎」
傘忘れる無一郎も可愛い。うん。少しだけしゅんとしていた無一郎だが、「ん、」と自身の傘を私の方に差し出す。自分も濡れない程度に。
「あ、」
「……一緒に」
ちょっとだけ視線を外して、照れたように。
…………撃ち抜かれた。
「ありがと、」
傘は意外と狭いので、かなり密着する。相合い傘ってこんな感じなんだ……
「……ふふ」
「…何笑ってるの？」
「ん、いや……ちょっと面白いし……幸せだなぁって」
無一郎はぱちぱちと瞬きすると、首をかしげた。
「面白、い？」
「ん。傘を忘れた私の為に来てくれたのに傘を忘れるなんて」
「ぅ……う、そ、それは…本当に忘れただけだし、その」
「ううん、嬉しいよ無一郎、ありがとう」
ふい、と顔をそむけた無一郎にたくさんの愛しさを感じた。
＿＿＿＿＿
相合い傘させたかった。
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ももんが(プロフ) - 了解致しました〜！ (2020年4月28日 20時) (
レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - ももんがさん» ありがとうございます。楽しみにしてくれてほんとにありがとうございました。少しでも貴方の力になれたのならとても嬉しいです。完結編もちまちま書いているのでどうか気長にお待ち下さい。 (2020年4月28日 19時) (レス) id: 8a5fb2d45a (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - 儺鵺さん» ありがとうございます。完結編は必ず書き上げますので気長に待って頂けると幸いです。申し訳ありませんがリクはもう受け付けません。せっかく下さったのに申し訳ありません… (2020年4月28日 19時) (レス) id: 8a5fb2d45a (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 過激なファンの行動が目に付いてしまうのは私も同じです。鈴歌さんとまた出会える事を楽しみにしています。更新、最後まで頑張ってください！長々とすみません！ (2020年4月24日 19時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 鈴歌さんが辞めると決めた事なら、反対する権利なんて、私にはありませんから...。この作品が生き甲斐でした！本当に素晴らしい作品をありがとうございました！完結させてしまうのは寂しいですが、とても面白かったです！ (2020年4月24日 19時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴歌-Rikkai- | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzuka-Rikkai-/
作成日時：2019年11月29日 18時
