優しい陽だまり。3

126 ページ26

紫「おかえり、A！！」



バタバタと足音をたてて玄関まで出迎えてくれた紫耀は、ニコニコと子犬の様な愛くるしさを向けてくる。



紫「なあなあ、お腹空いた！！」



貴「あ、ただいま…



えっと…うん、ご飯ね。
ちょっと待ってね！！」



急いで家に上がると、制服を着替えて、すぐに夕飯を作った。



紫「うまーい！！Aぱてしえなれるね！！」



夕飯を頬張りながら、わけの分からないことを言う紫耀に呆れる。



貴「ぱてしえ。じゃなくて、パティシエ。



それに、パティシエはお菓子作る人だから。」



紫「あり？そーやっけ？？



間違えた。」



ヘラヘラと笑う紫耀に、小さく笑い返すも、言いたいことがある所為か、それを隠せない私。



紫「A？？」



貴「あのさ、紫耀。」



紫「ん？？」



貴「何があったの？？」



紫「え…」



貴「なんか、あったんだよね？？



紫耀のお母さん、探してるって…柊真達が言ってた。
何があったかは話してはくれなかったらしいけど。」



紫「んと…」



視線を床に伏せたかと思うと、少し不安気に、チラチラと私を見る紫耀。



貴「怒んないし、味方だから…話して？？」



紫「…うん、あのね…」

127→←125

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す