優しい陽だまり。3

111 ページ11

大ちゃんが帰って15分ほど経った今。



現在地、玄関の前に座り込む私。



貴「柊真、遅い…何してんだろ…」



辺りはもう薄暗く、ちょっと心配になる。



柊「Aっ！！」



貴「柊真遅い…よ…」



柊真の声に顔をあげれば、柊真の隣には…



貴「パパ…？？」



柊「そこで会ってん！！」



ニッコリと笑う柊真に、曖昧に笑い返す。



柊「A、俺の言いたいこと…分かるやんな？？」



貴「うん…」



私の元へ来た柊真が、少し真剣な顔つきで尋ねてきた柊真に、動揺を隠せないまま、頷き返した。



ふと、俯いた私の頭に優しい手が乗った。



瞬きを数回繰り返しながら顔をあげれば、優しい微笑みで、私の髪を撫でる柊真がいた。



柊「大丈夫。
明日話聞いたるから、がんばれ。」



貴「うん…ありがとう、柊真。」



柊真の、大丈夫。の一言が、酷く私を安心させた。



そうだ。



私…変わんなきゃ。



今目の前にある物事を素通りなんてしちゃダメだ。



柊「おう！！



…で、大吾は？？」



貴「あ…大ちゃんなら…



柊真来ないし、私明日家の中全部片づけたいからまた明日って話になって…



ジェームズがどうたらこうたら言って帰ったよ。」



柊「はあ？ジェームズ？？」



貴「そう、なんか…柊「お前ジェームズと知り合いなんか！？
あの、学年1モテる！！」



…お前もか。

112→←110

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す