"偽り"の愛か"本物"の愛か (ページ21)

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バレンタインページ21

日がすぎるのはあっという間で、もう2月14日。バレンタイン。

女の子が好きな男の子にチョコをあげる日。

私も類さんにあげるチョコを用意した。

受け取ってもらえるかは分からないけど。

私はチョコを持って学校に行った。

お昼休み、瑠璃ちゃんが食堂にチョコを持ってきていた。

そのまま階段を登っていく。

多分チョコをあげるんだろう。類さんに。

あれから類さんは何事もなかったかのように食堂にやってくる。

だが、私は那由多くんと一緒に食堂のテーブルで食べている。あそこにはもういけない。

瑠璃ちゃんが降りてきたときチョコを手に持っていなかった。

瑠璃ちゃんは嬉しそうに食堂をあとにした。

A(あげるのやめようかな……)

そう思った。

その時……

こちらに向かって西門さんが近づいてきた。

西門「Aちゃん。類にチョコ作ってきた？」

A「え？あ、はい」

西門「それじゃちょっとここにいってくれる？」

そういって渡されたのは紙切れ。

そこにはこう記されていた。

【西条ブリッジ下、平浜公園にて待つ。6時に来られたし。松本A】

西門「これ類に渡しといたから。」

A「な、なんですかこれ……」

西門「とにかく、がんばって！！」

そういって西門さんは戻っていった。

私はその背中に向かって

A「ありがとうございます！」

と叫んだ。

西門さんは右手でVサインをした。