ハンサムな君に (ページ36)

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「おいしかったー！」

「気に入ってくれてよかった」

「ご馳走になってしまって…ごめんね」

「そういうときは、＂ありがとう＂だよ。
それに、俺が勝手に決めた店だったし、ね？」

優しく言いながら少しだけ首を傾げて
段差で少し高い位置にいる私の顔を覗き込む

「そんな！……ありがとう、ご馳走様でした！」

「それでよし。
次はAちゃんが行きたいところね」

自然と交わされる＂次＂の約束に
自然と頬が緩む

「……分かった。次は海鮮かなー！」

顔にやけてないかな、声うわずってないかな

そんなことを気にしつつ悟られないよう
いつも通り明るく振る舞う

話していると最寄りの駅が同じであることが判明し
電車を降りた後、裏道になるけど少し歩くことになった

またもう少しだけ一緒にいれる

ちょっとだけゆっくり歩こうかななんて

お酒のせいで思考がちょっとだけ
いつもと違うことに

今だけは気づかないふりをしていたかった