ハンサムな君に (ページ33)

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「……ここか」

送られてきていた店の情報を頼りに足を運ぶと
到着したのは個室の焼き鳥屋さんだった

…よかった、なんかめちゃくちゃお洒落な
高そうな店とかだったらどうしようかと

なんて思いつつ店のドアを開ける

待ち合わせなんですけど、と告げるとスムーズに
個室に案内される

店員さんがドアをガラガラと開けてくれて中に入ると

「おつかれさん」

キャップを深く被り、メガネをかけた海斗くんの姿

＂失礼いたします。＂と店員さんがドアを閉める

「おつかれさまです、遅くなってごめんね？」

「全然、俺もさっき来たよ、飲み物何にする？」

慣れた手つきでタッチパネルを操作する

……よく誰かと来てるのかな

＂誰か＂に勝手に女の子を含めて少しモヤモヤする

「松倉とよく来るんだよね、ここ。
どこにしよっかなーって迷ったんだけど
華金といえば、ビールと焼き鳥かなって」

笑いながら言う海斗くんを見て
勝手にモヤモヤして少しの罪悪感。

「華金といえば、ビールと焼き鳥…
…うん、いいチョイスです！」

得意げに言うとまた海斗くんが笑う

「お褒めいただきどーも。
てことで生でいい？」

タッチパネルで注文するとすぐにビールジョッキが
ふたつ届く

「じゃ、乾杯」

「かんぱーい！おつかれさまでーす！」

カチン、と音が鳴り響き一気に喉に流し込む

「んーーーま！！！仕事1週間がんばったー！」

……あ。しまった……いつものノリでグビグビと…

絶対引いてる、と思いながら恐る恐る前を見ると

「相変わらずペースがいいね、かわいい」

見たことないくらい優しく笑う海斗くんがいて

お酒を一気に流し込んだからか

はたまた別の理由か、

心臓がドクドク言うのが痛いほど自分で分かった