センパイ。 (ページ31)

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「……あ、やっぱお礼、お願いしてもいい？」

テーブルに肘をついて少し上目遣いで
私を覗き込むように宮近先輩が話す

そんな見つめられたら。

私、口にアイスついたりしてないかな

宮近先輩にまじまじと見つめられるのが恥ずかしくて

思わず視線を逸らす

「な、なんでしょう…」

「パピコ。」

「え」

「俺らパピコ食べてるじゃん。
もう半分、交換しない？」

と、空になったチョコ味のパピコの殻を
指で弄る宮近先輩。

「あ…あぁ…
もちろんです、そんなんでいいんですか」

「逆に何言われると思ってたの(笑)」

「た、たしかに(笑)
一昨年の分の過去問をいまから解こうと思ってて。
それ解き終わったら私食べます」

「ん、じゃあ俺もその時食べよ」

…てことは、

このまま一緒に勉強できると気付き

嬉しくて思わず笑顔になってしまう

それを先輩には見られたくなくて

「手洗ってくるついでにゴミ捨ててきますね！」

と席から離れ深呼吸をした