センパイ。 (ページ17)

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「びっ…くりした、おつかれ」

週に1回のゼミで会えなかった時は
そこそこ人知れず落ち込むくせに、

会ったら会ったで

突然すぎて動揺してしまう

我ながらどこまでも自分勝手だなと感じる

「お…おつかれさまです！
ルーズリーフ忘れちゃって。作業中ですか？」

「あ…うん。
先週、就活でゼミ休んだから卒論の相談、
先生に今日しようと思って
時間作ってもらったんだよね。
今日も就活の帰りではあるんだけど。」

スーツ姿、人に見られんの恥ずかしいなと
下を向きながら宮近先輩が柔らかく笑う

「就活もお疲れ様です。
じゃあ…作業の邪魔しちゃいけないので帰りますね」

宮近先輩と2人きりだなんて

なかなかない機会なのに。

本当はもっといたいけど心臓がもつ気がしない

何より、ちゃんと用事があってきている先輩の
邪魔をするのも悪いし。

そう言い聞かせながら席を立ちかけたその時、

「待って！」

「え？」

「もうちょっとだけ……いてほしい、かも」