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奇妙な夢を見た。
そう眉をひそめる俺に彼女はけらけらと笑った。
「なにそれ、変な夢！ 赤葦になら追いかけられてもいい気がするけどね」
体力的に数秒で捕まりそう、なんておかしそうに言うものだから 開きかけていた口を閉じる。
彼女は危なっかしくて 放っておけなくて。
だからか、ついつい目で追ってしまう。
他の奴らより少し仲がいいだけ。
その嘘はいつまで通用するだろうか。
自分自身に吐いた嘘ですら、もう時効のようなものだから。
気を抜いた瞬間に溢れ出してしまうだろうに。
「赤葦、帰ろ」
夢と同じようにマフラーに首を埋めた彼女が首を傾げた。
「うん、今行く」
……まあ 今はこれでもいいか。
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作者名：モノクロ | 作成日時：2018年5月13日 23時
