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ぼんやりと椅子に座って店内を眺めていると、呆れたような彼女の声が降ってきた。


「眠いの?」


その音でさえもなんだか心地よくて 突っ伏したままゆったりとした音楽に耳を傾ける。

前に座った浅倉はふわりと笑って俺を見ていた。



何度目かの二人だけで過ごす休日。



「眠くない」


先程の言葉を否定しながら顔を上げれば、幸せそうにメニューを見つめる彼女が視界に入る。



午後3時。

ちょうどいいくらいに傾いた日差しが ぽかぽかと暖かい。


あ、やっぱ眠いかも なんて思っていたら、悟ったように「眠いの?」ともう一度尋ねてくる浅倉。

2度目は否定せずに 小さく頷いた。


「孤爪は? 何頼む?」


知ってるくせに、彼女はわざわざ俺に問う。

彼女なりの優しさか、単に俺の好物を忘れているだけなのか。

もう随分とこの店に通っているのだから さすがに覚えてほしいんだけど。



「アップルパイと紅茶がいい」



ぼそりと呟いた俺に 彼女がまた笑った。


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アオ - この作品もとっても面白かったです。次の作品も楽しみに待ってます。 (2018年4月25日 22時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モノクロ | 作成日時:2018年4月25日 21時

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