00 ページ1
.
ぼんやりと椅子に座って店内を眺めていると、呆れたような彼女の声が降ってきた。
「眠いの?」
その音でさえもなんだか心地よくて 突っ伏したままゆったりとした音楽に耳を傾ける。
前に座った浅倉はふわりと笑って俺を見ていた。
何度目かの二人だけで過ごす休日。
「眠くない」
先程の言葉を否定しながら顔を上げれば、幸せそうにメニューを見つめる彼女が視界に入る。
午後3時。
ちょうどいいくらいに傾いた日差しが ぽかぽかと暖かい。
あ、やっぱ眠いかも なんて思っていたら、悟ったように「眠いの?」ともう一度尋ねてくる浅倉。
2度目は否定せずに 小さく頷いた。
「孤爪は? 何頼む?」
知ってるくせに、彼女はわざわざ俺に問う。
彼女なりの優しさか、単に俺の好物を忘れているだけなのか。
もう随分とこの店に通っているのだから さすがに覚えてほしいんだけど。
「アップルパイと紅茶がいい」
ぼそりと呟いた俺に 彼女がまた笑った。
.
14人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオ - この作品もとっても面白かったです。次の作品も楽しみに待ってます。 (2018年4月25日 22時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モノクロ | 作成日時:2018年4月25日 21時