ライラックの花束を (ページ49)

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「ちが、」

そんな、

まるで私が海斗のことを好きみたいに涼太は続ける

「Aは真面目だし一度思ったことは、こう！って
決めるところあるから…そこが俺は好きだけど。
幼馴染くんの方に気持ち、向いてるんじゃない？」

＂そもそも、元々Aの中で
幼馴染くんの存在、大きいと思うけどな。＂

そう涼太は続ける

「……正直分かんない、ごめん中途半端で。
今すごく失礼なこと言ってるって分かってる
あの日、今まで見たことないような顔で
言われたことないようなこと言うから
そればかり考えちゃって」

「うん」

「あんなこと言われたから気になるとか
単純すぎるのかなって、でも今までもやっぱり
海斗の横が一番落ち着くのかな、って……」

一番の本音を口に出したことに気付き
慌てて隣を見る

「…答え、出てんじゃん。
そのご飯の後くらいにさ、＂本音が見えない＂って
A、俺にそう言ったよね？」

「……うん。優しすぎるのが嬉しいけどつらい」

「本音を隠して付き合ってるつもりは全くなかった。
けど、いま思ってることを言うね」

「うん」

「いくら大好きで大切に思っていても、
別の人に気持ちがいってる人の隣にいれるほど
俺はお人好しじゃないみたい…ごめんね」

「涼太が謝ることじゃない！
…私が、私が中途半端だから…ごめんなさい」

「こーんなに優しい俺を振るんだから
幼馴染くんにちゃんと素直にならなきゃだよ！」

そう言って涼太は席を立ち、帰っていった