ライラックの花束を (ページ42)

今日:26 hit、昨日:8 hit、合計:148,234 hit

41 ページ42

・

松倉side

ひとしきりいろんな話で盛り上がり

流れで彼氏のことに触れると空気が変わる

「んー…」

「…うまくいってないの？」

「いや、順調だと思う、ただ」

「ただ？」

続きを促すと話すかどうか
Aの顔に迷いの色が出る

「話したくなかったら無理に話さなくてもいいよ」

「いや、海斗には聞いてもらいたい。」

真剣な顔でAは言うから

嬉しいような悲しいような、

相変わらず複雑な気持ちになる

「私のことをすごく大事に思ってくれていて
優しくて、いつも私のことを優先してくれるの」

「だからこそ。平等に感じないというか。
大事にされてるだけで贅沢なのに、
本当に無理してないかな？って考えちゃって
一緒にいて疲れるなんて最低だよね」

大事にしたいからこそ優先してしまう彼氏の気持ちも

優しいからこそ、
彼氏の本当の気持ちやしたいことを知りたい
Aの気持ちも分かり言葉に詰まる

だけど。いつも変わらないことはただひとつ。

「…俺は、
Aが幸せになれる選択をするのが1番だと思う」

そしてそれが俺が幸せにするという選択になれば

いいのに、やっぱり口に出さず

残ったお酒と一緒に流し込んだ