ライラックの花束を (ページ36)

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入学当初の不安も束の間、

最初の1年はあっという間にすぎて

気付けば2年生も半分以上が過ぎていた

海斗とはたまに会ったら話すくらいで

分かっていたけど
なかなか前ほど話す機会も少なくなっていた

だけど。今日は11/14。

海斗の20歳の誕生日。

私もバイトが終わり夜になってしまったけど
おめでとうと言いたくて電話をかける

＂もしもしー？どした？＂

「あ、海斗？ごめん飲み会かな？」

＂大丈夫！サークルの飲み会！＂

「そっか、いや…お誕生日だなって思って！
誕生日おめでと。2人とも20歳なったし飲みいこ！」

＂ありがと！今度また声かけるわ＂

「うん、またね」

簡潔に話して電話を切る

こんなにも話さなくなってしまうものなんだなと
思いながらもこうやって大人になっていくのかなとも
思ったり。

「あ…言いそびれた」

久しぶりに付き合いたいと思っている人がいると

いつも海斗に相談していたから今日も話そうと

思っていたのを忘れていた

「また今度話せばいいか」

そう思いながら携帯を閉じた