ライラックの花束を (ページ34)

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松倉side

「クラさ、高校卒業までに告んの？」

体育の授業中、後ろの方でサボっていたら
唐突に海人が口を開く

「なんだよ急に…
…別に大学も一緒だし振られたら気まずいじゃん」

「でたよ、ビビり発言。
お前なあ、大学こそ男増えんだぞ？

またAに彼氏できて彼氏の愚痴聞いて
＂大事な幼馴染＂認定されるの繰り返しじゃん」

＂俺なら耐えられないね、クラは優しすぎる＂と

海人は言うけど。

たくさん愚痴も惚気もAが話したいこと全部。

全部聞いてあげて

気付いたら俺なしじゃなんか寂しいなって思って

最終的に俺のところに来てくれればいいのにって

ずっと心の中で思っている

だから、そんな腹黒い思いを抱えて

Aと接する俺は、海人が思うほど

優しい男ではない。

「やべ、先生絶対こっち見てるわ、クラ行こ」

そろそろサボっているのがバレて怒られると

俺たちは輪の中へ走り始めた