ライラックの花束を (ページ31)

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あの女の子と海斗は結局どうなったか分からないまま

帰り道、駅に降りる

「…あ。」

「おーAもこれに乗ってたんだ」

別の車両から海斗が出てきて近づいてくる

なんとなく気まずい気がして足早に歩く

「何、どうしたの？」

「いや……告白、OKしたのかなって」

「……見てたの」

びっくりしたのか海斗が少し目を泳がせる

「偶然ね、ごめん。
海斗もモテるんだね、びっくりしちゃった！」

「Aはどっちであって欲しい？」

「へ？」

「俺が付き合ったって聞いたら悲しい？」

…まただ。最近の海斗はたまに真剣な顔をしてくる

「なんで悲しむの(笑)
幼馴染の幸せは願ってるに決まってるじゃん」

「…そうだよな。まぁ付き合ってないけど！」

コンビニ寄って肉まん食おうぜーと

私を追い越して海斗が歩き始める

前を歩く海斗がどんな顔をしているのか

私には分からないけど

私達は今まで通り
幼馴染として仲良くできるんだなと

少しだけ安心している自分がいた