罪×愛×罰

★30.教えて？ ページ31

〈西島side〉



秀太と與が帰った部屋は静かで。




あ「お風呂、準備できたよ？」




オレの着替えのスエットと下着を持って目の前に来たA。







先にお風呂に入ったAは少しだけ眠そうな顔をしている。






西「まっ……て……て。」






“コクン”とうなずくのを確認して。お風呂に向かう。






今までAとは恋人になれないって諦めて。





体だけを求めてきた。





今日の出来事で感じた與に対する劣等感。






Aがどう生きてきたか。





何を考えているのか知りたい。









お風呂から上がると、床の上にちょこんとすわって待っているA。





オレに気づいてタオルで髪を拭いてくれる。





そんなに高い訳じゃない身長のせいで背伸びして必死に。






ソファーに座ったオレの横に来て





あ「なにか、することある？



なんでも言って？」






近くにあった紙とペンを取って。






“與の昔話聞かせて？”





えっ？って顔をしたAだけど。





オレの横に座る。





ホントはAの昔を知りたいけど。





素直に聞けなくて。






あ「なにから話そう。




物心ついたときにはもう、隣に居たの。



家が隣で…。真ちゃんからしたら妹なのかな？




２つもあたしが下でしょ？」





妹なんて感情は與にはないだろうけど






あ「困ったときはいつも助けに来てくれて。




親があの店にずっーと居るから毎日、真ちゃんの所でご飯食べて。




初恋やったんや。真ちゃんは………。」






與の話になると関西弁が出るんだ





それに“初恋”。

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