罪×愛×罰

★26.歌の力。 ページ27

〈西島side〉




Aの歌が耳から離れたくて。




目の前に居る医師の話なんてほとんど頭に入ってこない。






マネ「要するに、ストレスの原因が分かって。



少し安静にしていれば治って事ですね？」







診察しから待合室に向かって歩き出す。





直也くんも居て。與、秀太、それからAが不安そうにオレの顔をうかがっている。






マネ「しばらくは声がでないみたいだけど。


ツアーの前にはなんとかなるでしょ？」





あまり事を大袈裟にしない、オレらのマネージャーはこう言うときすごく助かる。






マネ「けど、ストレスって言っても。なんのかはわかんないし。



声が出ないと日常生活も…」






與「それやったら、Aが一緒におればええ。


せやけど西島、貸すだけやからな？オレの彼女やから。」





末「別れたくせに彼氏面って。痛いぞ真司郎。」





こんなときでも笑わしてくれる。




きっと恋のライバルなハズなのに。





あ「あたし、帰ります。



ここに居ちゃ………。」







マネ「事情がよくわからないけど。



あたしは、みなさんに任せるわよ？恋愛禁止じゃないし。」






浦「Aさん？



西島はAAAに居なきゃいけない存在。



声が出ないのは本人だけじゃなくメンバーにもスタッフにも大きな痛手。




分かる？君一人の問題じゃない。




自分の気持ちじゃなくて。強制的に居てあげてほしい。」






Aは目を伏せて。




あ「はい。」





もうそれしか返事はないと諦める。









Aがマネージャーと話してる間。






浦「言葉で彼女に鎖をつけただけだから。




早目にこの問題解決しろよ。




オレはメンバーの絆をしんじてるから。」






言い残して帰っていく直也くん。






末「一時、休戦。」




與「せやな。けど、西島、手ぇー出したらあかんで。」






與と秀太も見送り。





マネージャーの元から帰ってきたAの手をとった…。

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