あなたの居場所を…

☆35☆温もりの中で ページ36

side あなた


あ「隆弘？」



隆弘のマンション……




西「なに？



そんな不安そうな顔しなくていいから。


オレもAが好きで


Aもオレが好き。


それだけで今はよくない？」




あ「よくなんか…。」




優しく抱き締められて感じる温もりは



ずっとずっと欲しかった温もり




西「分かってる。



Aが本当に好きなのは、あの幼なじみなんだろ？



分かってる。けど…今だけでもいいから。Aの時間を。」




隆弘の言いたいことの意味が分からずに



その顔を覗いてしまう。





西「Aが好きって言ってる聞いたんだ。



だから分かってる。」



少しだけふて腐れたような顔をする。隆弘が子どものようで




あ「それっていつの話？」




西「千晃と話し合いに来た日。


先に帰ったAを追いかけて千晃に聞いた海に…。」




あの日、あそこに隆弘も居たんだ



本当に隆弘はあたしの事を思ってくれていてそこに来てくれたんだ。



そう思うだけで今まで溜め込んでいた思いが泡のように消えて



あ「あの日、あそこで


『好き』って言ったのは隆弘のことだよ？


啓太ときちんとけじめをつけたくて。」

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